「ハリーは、くろいぶちのある しろいいぬです。」
ではじまる「どろんこハリー」。
今回の本の処方箋は、前回に引き続き、「どろんこハリー」に関する内容です。
どろんこハリーが続くところに、私のこの本の思い入れが出ていますね(苦笑
◆目次◆
1.タイトルが違うのに同じ本!
先日の「本の処方箋」では、小さいときに「どろんこハリー」が好きだったお子さん向けに、小学生用の「どろんこハリー」の本をご紹介しました。
その時ご紹介したのは、こちらの本
ハリーの家のお隣さんが大の歌好きで、その歌をなんとか止めてもらおうとするハリーの奮闘振りが描かれています。
この本以外に、小学生向けのハリー本があるのですが、それがこちらの本。
図書館でこの本を見つけたときには、
「もう1冊、小学生用のハリー本が!」
と私はとても喜んだのですが、この本、タイトルは違うのですが、先日ご紹介した「ハリーとうたうおとなりさん」と同じ内容の本でした。表紙の絵が同じだったので、嫌な予感はしたのですけどね。。。
2.何が違うのか?
では、このタイトル違いの同じ本。一体何か違うのでしょう。
★出版社が違います
「ハリーとうたう おとなりさん」は、大日本図書。
「ハリーのだいかつやく」は、ペンギン社です。
★本の体裁が違います
左が大日本図書のもの。右がペンギン社のものです。
開き方が違うので、大日本図書は縦書き。ペンギン社は横書きで文章が書かれています。
★文章も違います
訳者が違うので、同じシーンでも文章が違います。
ハリーが家族に怒られるシーンがあるのですが、「ハリーと うたう おとなりさん」の方は何故、ハリーが怒られるのかの理由まで踏み込まれて書かれていますが、「ハリーのだいかつやく」の方は、ただ怒られたという文章だけで終わっています。
3.結局、どちらがオススメ?
もし、図書館で同じ本を2冊目にされたら、私は「ハリーと うたう おとなりさん」の方をオススメします。
その理由は、2つ。
1.縦書きの文章に慣れてほしいから
2.ハリーの行動の理由も理解してほしいから
です。
小学生になり、自分で本を読み始めるにあたって、文章が縦書きで書かれている本に慣れて欲しいのです。そして、本を読み進め、ハリーがどうしてその行動をとっているのか、そこまで踏み込んで書かれている文章を読むことで、内容理解を深めて欲しいと思います。
もっとも、その行動の背景を理解するところからやって欲しい、とにかくハリー本を読んで欲しい(「ハリーのだいかつやく」の方が本が薄い)と思われる方は、「ハリーのだいかつやく」を選ばれても問題ないですよ。
読んでいて楽しいのは、どちらの本にも共通して言えることですので!
4.同じものが数冊出ている場合、どれを選ぶか
今回のハリー本もそうですが、同じ内容のものが別々の出版社から数冊出ている場合があります。
数冊見比べると、文章自体もそうですが、内容そのものも違いがかなりあるのですが、そんなに比較している時間もない方には、
本が厚い方
を選んでみてください。
薄い本というのは、物語の途中の内容を割愛していたり、描写を飛ばしたりしているのです。
だから、わが子には某所から出ている本は読ませませんでした。一見、名作ぞろいで軽くて小さくて良さそうに見えるのですが、中身が・・・
比較してみると、「こんなに違うんだ!」というので驚くと思いますよ。
お子さんに読んでもらうなら、文章もしっかりしていて読書が楽しめるものをオススメしてあげてくださいね。
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