本の処方箋。今回は、
シートン動物記を読む前にオススメする本!
のご紹介です。
◆目次◆
3.「動物の習性にことよせて、生きることの美しさ、意義を書こうと思った」椋鳩十氏のメッセージ
1.シートン動物記がハードルが高い理由
アメリカの博物学者アーネスト・トンプソン・シートン氏が書かれた「シートン動物記」。私が子どもの頃は、周りの皆も良く読んでいた動物に関するノンフィクションの名作ですが、最近の子はあまり読みません。
読まない理由として、まず本の表紙が固い印象を受けるためではないか、と思われます。
最近の子ども向けの本は、表紙のイラストが漫画風なものが多く、あの青い鳥文庫ですら、「なぜこの本がこの表紙に?!」と感じるものがあります。
「小公女セーラ」もこの表紙です。
一方、シートン動物記は、同じ青い鳥文庫でも、
同じ棚に並んでいたら、今の子どもには前者の方が手に取りやすいですね。。。
大自然の中で繰り広げられる動物の物語は、人工的なものに囲まれている今の子どもにとって、表紙やタイトルだけでは興味を引くものが無いのかもしれません。
実際に読み始めると面白いお話が多いのですが、その初めの一歩を得るきっかけが無いのかもしれません。
2.動物好きな子には、まず「えほん・椋鳩十」から!
そこで、動物好きなお子さんには、「シートン動物記」を読む前に、「えほん・椋鳩十」をオススメします! 全部で5作あります。
「かたあしの母すずめ」
雛を必死で守る母すずめを描いたお話です。
「ひとりぼっちのつる」
ひとりぼっちで暮らしていた子どものつるが、仲間を得ることで誰かと一緒にいるあたたかさを知るお話です。
「大造じいさんとガン」
小学校の教科書に必ず載っている有名なお話。
「藤吉じいとイノシシ」
藤吉じいと孫の一郎とイノシシとの出会いのお話。
「母ぐま子ぐま」
自然界に生きる母子の熊の愛情を描いたお話。
椋鳩十の本は、単行本でも数多く出ているのですが、まずは絵本から入ることをオススメします。
その理由として、
・絵から興味をもって、動物文学に親しんでもらうため
・今とは違う家の造り(軒下、縁側など)やあまり目にしたことのない植物や生物の様子を、イラストを見ることで情景描写を理解してもらうため
・絵本のイラストがどの本もとても話の雰囲気にあっていて、読んでいて楽しいため
です。
絵本としては文字数が多めではあるのですが、話の面白さから読み進めるうちにどんどん内容に引き込まれます。
3.「動物の習性にことよせて、生きることの美しさ、意義を書こうと思った」椋鳩十氏のメッセージ
子ども向け動物文学の作者である椋鳩十氏は、動物を描くことで「命の尊さ」をテーマにされています。生前、NHKのインタビューに答えている映像がありますので、是非ご覧になってください。
4.興味を持ったらシリーズ本へ!
絵本を読むことで、お子さんが動物文学に興味を持ったら、是非シリーズ本を進めてあげてください。
色々な出版社から書籍が出されていますが、私はこちらのシリーズをオススメします。
「椋鳩十まるごと動物ものがたり」
このシリーズ本は、それぞれ動物ごとに話がまとめられています。
このように猫にまつわるお話や
犬にまつわるお話など。
お子さんの好きな動物があれば、その動物をテーマにした物語をお子さんに勧めると興味を持って読み始めると思います。
そしてどんどん読み進めたら、シートン動物記や、ファーブル昆虫記も勧めてあげてくださいね!
5.まとめ
あなたのお子さんが動物が好きなお子さんでしたら、是非、「えほん・椋鳩十」をオススメしてあげてください。もちろん、読み聞かせをしてあげるのも効果的です!
もちろん、最初から「シートン動物記」を勧めても良いのですが、表紙だけだとお子さんの興味をあまりひかないので、まずは絵本を進めることで「読んでみようかな」という気にさせて、絵本から動物文学の楽しさを知ってもらい、その後単行本に移るというのが良いと思います。
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