本の処方箋。今日は、
あまり本を読まない子どもでも、思わず手に取って読んでしまう本!
についてです。
◆目次◆
1.子どもが思わず手にとってしまうシリーズ本とは?!
「はろるど」のシリーズ本です!
全部で5作品あります。
2.この本の魅力とは?!
表紙の男の子が、この本の主人公である「はろるど」です。
3歳ぐらでしょうか?
どの本の表紙にも手にクレヨンを持っています。
このクレヨンを持った3歳児という表紙が、どの子も自分の昔の頃をつい思い出してしまうのか、ふと手にとってみるのです。更に、この本はタイトルがすべてひらがな表記のため、本への抵抗が下がり、「読んでみようかな」という気になるようです。表紙の絵は、どれも動きがある良い絵ですね!
このシリーズ本はどの本も70ページ近くある厚めの本なのですが、はろるどがどんどん絵を描きながら物語が進んでいくため、読んでいる方もどんどん読み進めてしまいます。
自由に絵を描いている様子は、子どもの想像力をも刺激するようで、夢中になって読みますよ。
3.それぞれのお話の特徴
★1「はろるどの ふしぎな ぼうけん」
「はろるど」シリーズの記念すべき第1作目です。
かべに絵を描きたくなったはろるどは、どんどん壁に絵を描いていき、冒険の旅へと出かけます。
★2「はろるど まほうの くにへ」
夜にベッドから抜け出したはろるどは、自分でイメージした魔法の国の世界を描きながら、どんどんその国を探検していきます。大きなお城をこうやって表現するんだ、最後はこうやってお家に帰るんだ~!という点も面白いですよ。
★3「はろるどと むらさきのくれよん」
はろるどは、またむらさきのくれよんを持って夜にお散歩に出かけます。
お散歩の途中に色々困ったことが起きますが、その度にむらさきのくれよんで解決していきます。
でも、だいじょうぶ。
はろるどは あたまも いいし、
くれよんも もって いる(p42)
この自己肯定感は、この本を読んでいる子どもにも安心感を与えますし、何かあってもこうやって自分自身「大丈夫」と考えられるお手本になりますね!
★4「はろるどのABC」
またまたはろるどは、夜にくれよんを持って出かけます。
今度は、「AからZまでをたずねる冒険」です。
今までのお話は、はろるどが自由に想像しながら冒険をしていたのですが、今回は、A、B、C ・・・という文字のお題があり、そのお題から想像することを描きながらの旅です。
ちょうどアルファベットを習おうかな、というお子さんには、このお話自体が文字への興味を引き出しますし、その文字から始まる単語も理解することが出来ます!
習い始めの英語には出てこない単語が出てくるので、それも面白いですね!
★「はろるどのクリスマス」
「はろるど」シリーズ最後のお話は、クリスマスにまつわるお話です!
最後のお話は冒険ではなく、探し物をして歩いていくお話です。
クリスマスにまつわるお話は数あれど、このはろるどのお話は他のお話とは一線を画す内容となっていて、探し物を見つけた後からラストまでの流れも面白いので、是非読んでみてください!
4.とても良い本なのですが、1つ問題があります
この「はろるど」シリーズ、とても良い本なのですが、1つだけ問題があります。
「はろるどのクリスマス」以外の本は、新品では手に入りません!
シリーズ最初の本「はろるどのぼうけん」は、初版が1971年でした。
その後2008年に77刷まで増刷はされたものの、その後は販売はされていないようです。
「はろるどとむらさきのくれよん」は、出版社である文化出版局のサイトにはわずかに残っているようですが、Amazonで購入できるのは、「はろるどのクリスマス」のみです。
図書館では全シリーズを借りられると思われますが、手元に置けないのは残念ですね。。。
現実と空想の世界をクレヨンで描きながら行き来するはろるどのお話は、親が読んでも子どもが昔まさに現実と空想の世界に住んでいたことを思い出させる本です。このような体裁の本はあまり読んだ事が無いので、その点も非常に面白くてステキな本です。
長く読み継がれたい本なので、再販されることを期待します。