子育て中、特に男の子のママにオススメの1冊

私がやっている個別指導の塾では、生徒さんの宿題に毎回「読書」を入れています。
私は授業の時に、生徒さんが読んできた本の感想を聞くのを毎回楽しみにしているのですが、先日の授業の時に、生徒さんが読んできた本はこの本でした。

椰月美智子さんの「しずかな日々」です。
2007年に出版され、野間児童文芸賞、坪田譲治文学賞をダブル受賞した本です。
この本は中学受験にもよく出題される本で、2018年度入試では桜美林中学校で出ています。過去には、慶応義塾湘南藤沢中学とか、暁星中学でも出ましたね。

 

生徒さん(男の子)からざっとあらすじを教えてもらい、感想を聞くと

 

「母親と言い争いになるところで、主人公の気持ちが共感出来た」

 

と言うので、

 

そうなんだ

 

と思い、私自身、男の子のママでもあるので、読んでみる事にしました。

 

中学受験で出題される本はどうしても仕事目線で見てしまうのですが、今回は生徒さんが「主人公に共感した」と言う点で、

 

男の子の気持ちを汲み取りたい

 

という視点から読む事にしました。

 

この本は、大人になった主人公が人生のターニングポイントとなった、小学5年生の夏休みを思い出す回顧録のお話です。主人公である枝田光輝(あだ名は「えだいち」)は、勉強も出来ず、運動も苦手で、友達づきあいもあまりよくありません。事情により祖父と一緒に暮らし始めるのですが、それをきっかけに、母親と子どもだけの世界から、子どもだけの世界へと移っていく様子が描かれています。

 

ちょうど我が子(小学4年生)も、だんだんとママから離れつつあるので、読み進めながら、

あ~、確かに、こうやって私から離れていっているな

と感じました。と同時に、私が今まで子どもに接している態度は変わらないのに、その態度は子どもの年齢が上がるにつれて、だんだんと疎ましくなってくるるものなのだ、とも思いました。

子どもが赤ちゃんの時は、それこそ自分の事は二の次、三の次で子どものお世話しないとならなくて、それがつらく感じることも多々ありましたが、こうやってだんだん子どもが離れていくのを感じると、あの時にもっと楽しんでおけば良かったな、「抱っこ!」と言っていたときに、もっと抱っこしておけば良かったな、と感じます。

きっと、3年後ぐらいの私が今の私を振り返ると、学校であった事とか、楽しかった事、うれしかった事を子どもが色々お話している時に、「あの時にもっとよく話を聞いてあげれば良かったな」と感じるのだろう、とも思いました。

子どもが赤ちゃんの時、毎日ずっと泣いているので、

泣いている時間より、笑っている時間が多い一日にしよう!

と誓いを立てたのに、あれから時が経ち、気づけば

「早く起きなさい!」、「今日の宿題は?」、「お弁当出した?」、「これを片付けて!」

みたいな言葉ばかりが多く、子どもも私も「笑う」という日が過ごせていません。

一日一日はドラマティックに流れるものではなく、それこそ「しずか」に流れていて、それが一週間、一ヶ月、一年という「日々」になっていきます。
この「しずかな日々」という本を読んで、改めて、一日一日を大切にしよう! 子どもの成長を見守って、今の子育てを楽しもう!
お互いが「笑う」日々にしよう!と感じました。
この本は子育て中の方、特に男の子のお子さんをお持ちのママに、オススメの1冊ですクローバー
きっと色んなことを感じ、気づくきっかけとなる1冊ですよ。