勇気を持つ!「かべのむこうになにがある?」:小5 小6 読書感想文課題図書

読書嫌いな子を応援する!本の紹介シリーズ第2弾!

今回は、2019年度小学5年生、6年生の読書感想文課題図書になっている

「かべのむこうになにがある?」

のご紹介です!


かべのむこうになにがある?

おおきなあかいかべがありました。
いつからなのか どうしてなのか だれもしりません。
「ずっとまえから あったのさ」
「わたしたちを まもってくれてるのよ」
「むずかしいことを かんがえるのは やめなよ」
みんなは そういいますが、
ねずみは どうしても
かべのむこうがしりたくて……。

かべっていったいなんだろう。
いつのまにかできていたかべは
本当にあるのかな。
一歩を踏み出す勇気をもらえる絵本。
『手と手をつないで』の画家ブリッタ・テッケントラップの作品。
BL出版 内容紹介より)

この本は絵本です。絵本が小学5年生、6年生の課題図書となっています。そのため、お子さんによっては「絵本を読んで感想文なんて」と思って、課題図書にこの本を選ばないかもしれません。

それはとてももったいないです!

この本こそ、今何か悩みを抱えているお子さんや、今ひとつやる気が出ない子、そして現状を何とか変えたいと思っている子に是非読んでもらいたいです。

また、この本のテーマに「勇気」がありますので、勇気を持つことの大切さを知ってもらいたいと思う保護者の方は、是非この本をお子さんに薦めてあげてください。

しかしながら、この本は物事を深く読み取れないお子さんには少しハードルが高いかもしれません。

読み取れない場合、この本の感想が

「ねずみがかべの向こうに行けて良かったです」

とか

「まわりのみんなも外に行けて良かったです」

のような表面的な内容になってしまいます。小学校低学年ならまだしも、もう小学校高学年ですので、さすがにこの読み取りになっているのは残念です(逆に言えば感想文の内容で、お子さんが現在どのぐらい読解力があるのかがわかる本でもあります)。

この子は読解力が弱いかも。。。と思われた場合、読解力をつけるのはまた別に行って、今回の読書感想文は

・親子の対話を通じて、本の内容を深掘りし、読書感想文を書く
・別の本で読書感想文を書く

のどちらかで取り組んでみてください。

なお、この本自体は、読書感想文が書きやすい本ではあります。
本の中に出てくる動物のどれかに自分を重ね合わせて、例えばライオンだと

「このライオンの気持ちはよくわかります。僕もライオンのように考えてしまいます。でも、今の現状のまま過ごしていると、いつまでも自分のまわりに「かべ」があるままです。僕はこの本を読んで・・・」

みたいに書けます。

私が普段生徒さんに読書感想文の指導をしていても、割と主人公(今回の本ではねずみ)を主体として書く子が多いのですが、内容が良い本は色々な視点から感想文が書けますので(今回の本ではねずみ以外に出てくる動物)、そういった面でもこの本は良い本だな、と感じます。

ここまでこのブログを読んで、お子さんにこの本を薦めたいけれど、うまく誘導が出来ない、という方のために、今回も私の方で、お子さんの読みたい心を刺激するツールを用意しました!

興味喚起する動画」と「読書シート」です!

 

◆「かべのむこうになにがある?」を読みたくなる動画

この動画は、お子さんに直接見てもらい、「この本を読んで見ようかな?」と思ってもらうために作成しました。本のあらすじはほとんど解説しておりません。この動画を見たからといって本を読まなくて良いにはならないよう作っています。この動画を見ることで、この本を読んで見よう!と思うお子さんが一人でも増えることを願っています。

 

◆読書シート

読書をするにあたって、この本にはどんなことが書いてあるのだろう?と質問を持つと、読み進められることが多いです。そこでこの「かべのむこうになにがある?」を読むにあたって、お子さんが興味を持つように質問を並べたワークシートを作成しました。

このワークシートを本を読む前にお子さんに渡して頂いて、先にこの質問を読んでから読書をするように伝えてみてください。ただ漠然と読み始めるより、本の内容に入り込んで読むことが出来ます。

ただし注意点として、読むことを優先するためこの質問に対する答えは用意しておりません。答えを用意すると、その質問に対してお子さんが出した答えが合っている、合っていないに捕らわれてしまい、本来の目的である「読書を楽しむ」から離れていってしまうからです。質問に対してお子さんそれぞれの答えが出ていれば、それで充分だと私は思います。

読書がある生活はお子さんの人生を豊かにします。
本があまり好きではないお子さんも、今回の読書感想文の読書をきっかけに、少しでも本が好きになり、読書を楽しめるようになってくれることを切に願います。

それにしても、この本に出てくるかべの中にいる動物達の姿は、身につまされるものがあります。
「あ~、私も子どもが何かしようと言ってきたときに、このような態度を取っていないかな」とこの本を読みながら、反省していました。

子ども向けの絵本ではありますが、是非大人の方にも読んでもらいたい本です。

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