本の処方箋。今日は、
虫好きのお子さんに是非オススメしたい1冊!
です。
◆目次◆
1.「ふきげんなダンゴムシ」
虫が好きなお子さんにオススメしたい1冊はコチラです!
「ふきげんなダンゴムシ」です!
昆虫学者?である主人公のヤマガタはかせが、助手のコモリ君とともに虫達に相談される内容を解決していくお話です。
1話完結のお話が4話載っています。
2.オススメポイント3つ!
★1:虫の特性を踏まえたお話
出てくる虫達は擬人法でかかれていますが、すべてその虫達の特性を踏まえたストーリー展開となっています。アリの話だと一番最初に来たアリがつけたしるしをもとに、他のアリ達が行列を作って部屋に来る話だったりしています。虫に興味がある子であれば、自分が知っている虫の知識を元に話が進むので、知識の再確認にもなります。
★2:本の一番最後に虫の解説付き!
この本の一番最後には、筑波大付属小学校の露木先生による、お話に登場した虫たちの解説が付いています。虫の特性を踏まえたお話を読んだ後に、更にその虫にまつわる解説が付くので、虫好きの子には更に知識が深まる構成となっています。
虫の解説も小学校の先生の解説ですので、図鑑とは違い子どもの興味をひく解説となっております。
例えばダンゴムシの解説では、
じつは、ダンゴムシも昆虫ではなく、エビやカニに近いなかまです。(「ふきげんなダンゴムシ」p55)
と説明されていて、図鑑にありがちな「節足動物の中の一つで甲殻類です」と書いていない点が子どもの理解を深めます(もっと虫に興味を持つと節足動物と説明されていても理解出来るようになりますが、最初の時点では専門用語よりわかりやすい説明の方が子どもが読みます)。
本の中に出てくる漢字には、すべてふりがなが振ってある点も、子どもが読みやすい体裁となっています。
★3:イラストが楽しい!
実際に本を手にとって見ていただくとわかるのですが、イラストがお話の雰囲気にあっていて、イラストを見ていてもとても楽しいです。蜘蛛が「ヤマガタはかせ」に相談するときも、視点が蜘蛛を中心で描いてあり、映画を見ているような場面構成となっています。
幼年童話としてのご紹介ですが、イラストが楽しいので、もっと小さいお子さんに対して読み聞かせで読まれても、どの子も興味を持って読み聞かせを楽しむでしょう!
3.シリーズで全4作品!
★1:「ふきげんなダンゴムシ」
シリーズ1作目は、「ふきげんなダンゴムシ」です。
この本に出てくるメインの虫達は、クモ、ナメクジ、ダンゴムシ、アリの4つです。
カタツムリに憧れるナメクジのお話は、子どもならきっと疑問に持つだろう事をテーマとしていて面白いですよ。
★2:「カマキリのかんちがい」
シリーズ2作目は、「カマキリのかんちがい」です。
この本に出てくるメインの虫達は、カマキリ、ヤスデ、チャバネ、テントウムシです。
本文中に出てくるチャバネとは、チャバネゴキブリのことですがゴキブリが中心のお話というより、虫達のコーラスのお話です。では、なぜタイトルを「鳴く虫? チャバネ」にしているのかは、本文を読んでのお楽しみという事で。
★3:「チョウのおんがえし」
シリーズ3作品目は、「チョウのおんがえし」です。
この本に出てくるメインの虫達は、チャバ、ユスリカ、チョウ、フンコロガシです。
ユスリカという聞きなれない虫が出てきますが、このユスリカは、実は一度は目にしたことがあるであろう虫です。最後の解説のところでわかりますので、是非解説まで読んでくださいね!
★4:「うぬぼれやのゾウムシ」
シリーズ最後のお話は、「うぬぼれやのゾウムシ」です。
この本に出てくるメインの虫達は、アリジゴク、カブトムシ、ゾウムシ、ミノムシです。
シリーズ最後についに子ども達に大人気のカブトムシが出てきます!ヘラクレスオオカブトです。ちなみに本文中ではこのヘラクレスオオカブトは1万5000円でした。
4.良い本ですが問題が1つ・・・
虫が好きな子どもが興味を持つ話とイラストのこの本。
残念なことに実は、
販売はもうされていません。
この本は、草土文化という出版社から出ているのですが、こちらの出版社が今はもう無いのです。50年にもわたって児童書、教育書を中心に本を出版していた会社だったのですが。。。
Amazonでは中古で販売されていますが、「ふきげんなダンゴムシ」に関してはかなりの高値で売られています。
図書館には全巻あるかと思われますので、お子さんに是非!と思われた方は、図書館で借りられてみてください。
お話も楽しめて、虫にも詳しくなるオススメのシリーズ本です。